2年前にWebビジネスの行方というコラムを書きましたが、この2年でIT業界というくくりで考えなければならないステージになりました。
●Webビジネスの行方(参考)
http://www.arashi.info/2008/10/web-1bf5.html
今のままだとAndoroidは商業的には大きな成功はしないかもしれない。
Andoroidはオープンソースのようであって、オープンソースではないと言い続けてきましたが、それが表面化しつつある。
Googleはサーバ側(あちら側)でサービス展開するのと同じ理屈で携帯OSを提供しているが、ことクライアント側(こちら側)のサービスとして提供するにはその対応方法は不全であると言わざるを得ない。
今までユーザーはGoogleのβ版サービスからバージョンアップされたものをストレスなく使用してきたが、それはWebサービス、あちら側で対応していたからであって、OSの場合は各クライアントマシン(こちら側)でバージョンアップしなければならない。
ITリテラシーが高い人はそれでもまだ良いが、総じて万人がそうではないし、そうではない人たちも取り込んでいけない限り、インフラとしてのサービス(この例では携帯電話)は成り立たない。水道もガスも子供が蛇口をひねっても出るからインフラで、Andoroidがそうかというと違う。その点で言えば、ガラケーと揶揄されたけど日本の携帯電話OSは安定していたし、まさしくインフラだった。(個人的にはガラケーの方が今でも大好き)
OSとしてのインフラを目指すのであれば、マイクロソフトのように慎重に進めてゆかないとユーザーはついてこれない。なぜマイクロソフトが圧倒的な成功を収めたのか。マイクロソフトを否定するのではなく、その先駆者から謙虚に学ばなければならない。
同様な事象としてはGoogle+においても、Facebookおよび新しいもの好きのユーザーからもっと学ば無ければならないのに、提供しているサービスからはその姿勢は感じられない。
この数年、この謙虚に学ぶという姿勢がGoogleからは一切消えている。大きな成功をし過ぎて、自分が得意とする土俵以外でもその成功法則が通用すると思っているようにも感じる。それは押しつけ、押し売りであり、不遜とも言えるのではないだろうか。ユーザーを無視した押し売りには嫌悪感が伴い、そういうもので繁栄したものはない。
より目先の利益を追いかける商業的、ユーザー本位ではないという点で今後のGoogleの成長について危惧する次第である。しかしながら、私たちはそこに新たな商機を見いだすことも出来るし、まだまだこの業界においてもチャンスは沢山さんある。
マイクロソフトやYahoo!が全盛を誇り、その結果、変化に対応仕切れなくなり、GoogleやFacebookの台頭を許したように、今もまさしく新たなビジネスチャンスが広がろうとしている。
IT業界はイノベーションのジレンマによって常に新興勢力が台頭してきたが、今に至っても誰が覇者になるのかはまだ決まっていない。マイクロソフトやオラクル、Googleがそうしてきたように、その新興勢力を資金力でM&Aを行い、傘下に収めた時代から明らかに変わろうとしている。
インターネットによって、より多様化の時代を迎えた今日においては、その多様化の広がりは止めようが無く、その広がりにサービスを合わせていかなければ、今日起こったことが今日伝わるグローバルな時代のスピードには対応出来ないし、生き残れない。人類、生物がそうであったように、変化に対応できるものしか生き残れないことは歴史が証明している。
そして、多様化の先には収斂(統合)があり、多様化と収斂の関係性は普遍的なのだろう。それを繰り返すのが歴史なのだと思うし、そこから私たちは学んで活かしてゆかなければならない。
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